草津温泉でプチ湯治に目覚めて以来、次は日本有数の温泉地へ——そこで訪れたのが大分県・別府温泉です。
今回は自分の誕生日お祝いを兼ねて、商船三井さんふらわあ(フェリー)で大阪から別府へ向かうという少し特別なルートで訪れました。別府を訪れるのは初めて。温泉の多様さと湯治文化の深さに改めて魅了された旅になりました。
この記事では、竹瓦温泉・鉄輪むし湯・明礬温泉・鬼石の湯をめぐった1泊2日をレポートします。
- 別府温泉の特徴とプチ湯治に向いている理由
- 東京からのアクセス方法
- 竹瓦温泉・鉄輪むし湯・明礬温泉・鬼石の湯レポート
- からだに感じた変化
- 注意点・失敗談
- 費用の目安
- 多彩な泉質の温泉を体験したい
- 湯治文化を垣間みたい
- 観光も取り入れながらプチ湯治したい
- 別府温泉に行ってみたいけど何をすればよいかわからない
別府温泉とは?|プチ湯治に向いている理由
大分県別府市にある別府温泉は、源泉数・湧出量ともに日本一を誇る日本有数の温泉地です。「別府八湯」と呼ばれる8つの温泉エリアがあり、それぞれ泉質や雰囲気が異なります。
別府温泉がプチ湯治に向いている理由は以下の3つです。
① 泉質のバリエーションが豊富
塩化物泉・硫酸塩泉・炭酸水素塩泉・含硫黄泉など、1つの温泉地でさまざまな泉質を体験できます。草津温泉(強酸性)のように1種類の泉質に特化した温泉地とは異なり、自分のからだに合う泉質を試せる点が魅力です。
② 昔ながらの湯治文化が今も残っている
鉄輪温泉エリアには鎌倉時代から続く蒸し湯や自炊湯治宿が今も残っており、温泉地として歴史が深い。「地獄蒸し」などの湯治文化も体験できます。
③ 源泉かけ流しの宿・施設が多い
湧出量が日本一のため、源泉かけ流しにこだわった宿や施設が充実しています。1泊1〜2万円程度でも良質な源泉かけ流しの宿が見つかりやすく、草津温泉よりやや割安感があります。
アクセス|東京から別府への行き方
| 交通手段 | ルート | 目安 |
|---|---|---|
| 飛行機 | 羽田→大分空港(約1時間20分)→別府(バス約1時間) | 約3〜4時間 |
| 新幹線+特急 | 東京→博多(新幹線)→別府(特急) | 約7〜8時間 |
| フェリー | 大阪南港→別府港(さんふらわあ・約11時間) | 約11時間 大阪までの移動が別途必要 |
東京から行く場合は飛行機が最もスムーズです。羽田からソラシドエアなどのLCCを利用するとセール時は片道1万円以下になることもあります。
今回わたしは大阪発のフェリー、商船三井さんふらわあを利用しました。非日常感を楽しめるアクセス方法で、船内で一泊してから翌日早朝に別府に到着するスタイルです。朝早くに到着するので、早い時間帯から別府の共同浴場めぐりをすることができます。
今回お世話になった宿|割烹旅館 かんな和別邸
今回の宿泊は「割烹旅館 かんな和別邸」。誕生日祝いを兼ねて…ということで、少し特別な宿を選びました。

部屋に源泉かけ流しの温泉が付いていることに加え、離れに大きな貸切露天風呂もあり(空いていれば自由に利用可)、食事は伊勢海老付きの部屋食と、ご褒美・お祝いステイにぴったりの宿でした。
湯治目的の連泊向きではありませんが、別府の源泉かけ流しを堪能したい方・特別な日のステイにぜひ。宿泊記は別記事で詳しくレポートする予定です。
📍割烹旅館 かんな和別邸
大分県別府市火売1
※楽天トラベル・じゃらん・一休などから予約可能
1日目|雨の別府。有名どころの竹瓦温泉と鉄輪むし湯へ
7:00頃|さんふらわあで別府港着
朝、別府港に到着。あいにくの雨模様なので、今日は地獄めぐりは諦めて温泉ぽかぽか巡りになりそうです。
まずは別府駅までバスで移動。
8:00頃|『竹瓦温泉』別府温泉のシンボルへ
向かったのは別府温泉を代表する共同浴場『竹瓦温泉』。
明治12年(1879年)創設、現在の建物は昭和13年(1938年)建設の国登録有形文化財。唐破風造りの重厚な外観は、温泉地の風格を感じさせます。

脱衣所と浴槽が同じ場所にある湯治スタイルの浴場ですが、浴場は脱衣所から階段でくだっておりる半地下式。お湯は熱めで、温度チェックに来たスタッフさんが「43.2℃ですよ〜」と元気に声かけしてくださいました。シャワーはなく、かけ湯をしてそのまま浴槽につかるスタイルで、これもまた湯治場らしい。
昭和レトロな雰囲気の中、早朝なので人が少なく、のんびりお湯につかれる時間…。と言っても1回数分が限界(笑)とても格別でした。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 営業時間 | 普通浴:6:30〜22:30 砂湯:8:00〜22:30(最終受付21:30) |
| 料金 | 普通浴:300円 砂湯:1,500円 |
| 定休日 | 第3水曜日(祝日の場合は翌日) |
| 泉質 | 男湯:ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-塩化物・炭酸水素塩泉 女湯:ナトリウム−炭酸水素塩泉 |
男女で泉質が異なるのが特徴的。女湯の方がメタケイ酸多めの美肌の湯という印象でした。
入り口は休憩所のようになっていて、そこで雨の音を聞きながらのんびりさせてもらいました。朝早くからたくさんの方が砂湯待ちをしています。

湯上がりにかぼすサイダー(280円)を購入。スッキリしていて体にしみます。

竹瓦温泉は砂湯でも有名。私もとても気になりましたが今回は時間の都合で断念…次回こそ体験したいです!
11:30頃|鉄輪温泉街で『地獄蒸し』体験!
続いてバスで鉄輪エリアへ移動し、ランチ。鉄輪エリアといえば地獄蒸しも外せません。温泉の蒸気を使って食材を蒸し上げる、このエリアならではの湯治食です。

大人気で1時間待ちの大行列。さすが人気スポットです(笑)賑やかさは湯治場というより観光地そのもので、ゆったりしたプチ湯治の雰囲気とは少し違いますが、今回はそこを目的にしていなかったので良し。
肝心の地獄蒸しは最低限の塩味がついていてシンプルにおいしい。家でせいろ蒸しするより少ししょっぱくて、素材の味が引き立つ感じ。ヘルシーで体に優しいメニューが中心で、「湯治食」という観点でいうと正解のお店だと思いました。
こちらでは飲泉もいただけました。ほんのりしょっぱい不思議な味のお湯で、伊香保温泉の鉄味飲泉よりずっと飲みやすかったです。
13:00頃|『鉄輪むし湯』鎌倉時代から続く本物の蒸し湯
続いて『鉄輪むし湯』へ。鎌倉時代に一遍上人が創設したとされる歴史ある蒸し湯です。

約8畳の石室の中に、清流沿いにしか群生しない薬草・石菖(せきしょう)が敷き詰められており、その上に浴衣を着て横たわるスタイルの温泉です。石菖の独特で清涼感ある香りに包まれながら蒸されるこの感覚は、ここでしか味わえないもの。
温泉の噴気で温められた石室は穏やかな熱さで、じんわりと温まる…。わたしは冷え性のため、10分では汗をかけませんでしたが、途中退室している方もいたので体質にもよりそうです。
蒸し湯のあとは内湯で汗を流しました。内湯はもちろん源泉かけ流しで、気持ちのいい熱さ。ナトリウムー塩化物泉なので体がとても温まりました。
入口前には無料の足蒸しもあるので、時間があればぜひ立ち寄ってみてください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 営業時間 | 6:30〜20:00(最終受付19:30) ※時期によって短縮されることがあるため要確認 |
| 料金 | 700円(浴衣レンタル別途220円) |
| 定休日 | 第4木曜日 |
| 泉質 | ナトリウム-塩化物泉 |
14:00以降|宿『割烹旅館かんな和別邸』でゆっくりと…
強めの雨が続いていたため、早めに旅館へ向かい、チェックイン時間までロビーで待たせてもらいました。地獄めぐりは翌日に持ち越し。
部屋の温泉にゆっくりつかり、夕食をお部屋で堪能。温泉で体力を消耗した後の伊勢海老や大分和牛…格別においしかったです。

貸切露天風呂も広くてとても綺麗。夜大きな露天風呂を独占し、星空を眺めるのは最高に気持ちがよかったです。
こうしたご褒美ステイも時々はいいですね。
2日目|晴れた!海地獄・明礬温泉・鬼石の湯へ
11:15頃|『海地獄』別府の定番観光スポットへ
2日目は風が強いものの晴天!昨日できなかった地獄めぐりをするため、まず向かったのは『海地獄』。コバルトブルーの美しい地獄湯が広がる別府を代表する観光スポットです。

源泉は98℃と高温で入浴どころか触ることすら当然できませんが、その幻想的な色と湯けむりの景色は一見の価値あり。実際見て、その迫力に感動しました。
温泉が沸き出ている庭園といった様相で草木が美しく整えられており、わたしが行った時には桜がきれいに咲いていました。

エリア内に「赤池」と呼ばれる赤色の温泉もあり、こちらも必見です。足湯もあるので、疲れた時はプチ休憩もできる、至れり尽くせりの”地獄”です(笑)

13:00頃|岡本屋で地獄蒸しプリンを食べる
バスで明礬温泉エリアへ移動し、老舗の『岡本屋』さんへ。ここは地獄蒸しプリンの発祥のお店と言われています。
プリンだけのつもりが、メニューを見たら思わずうどんも注文してしまいました(笑)

うどんは讃岐らしいしっかりしたコシがあり、おいしい。しょうゆとかぼすをかけていただきます。

そして名物の地獄蒸しプリンを食後にコーヒーとともに…。甘すぎないあっさりとした味わい。温泉旅のおやつとしてちょうどよい一品です。
13:45頃|『みょうばん湯の里 大露天風呂』乳白色の硫黄泉へ
温泉グルメを堪能したあと、歩いてみょうばん湯の里 大露天風呂へ。名前のとおりの広い露天風呂と、小さな内湯があります。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 営業時間 | 10:00~20:00まで(受付19:00まで) ※天候などにより変更になる場合あり |
| 料金 | 600円 |
| 定休日 | 年中無休 |
| 泉質 | 硫黄泉 |
露天風呂は乳白色の硫黄泉。もったりとした質感で、湯上がりの肌がしっとりする感覚がありました。わたしが入浴した時は体感38℃前後と入りやすい温度で、アトピーと思われる方が長湯されている姿も。皮膚疾患への効能を求めて訪れる方が多い温泉だと感じました。

一方、小さな内湯はやや白濁した無色透明に近い色。同じ源泉でも空気に触れている時間の違いで見た目がかなり異なり、露天よりも新鮮な印象でした。
そしてここで驚きの体験が。かけ湯をした瞬間、足が真っ赤になるほどの熱さ…!
地元の方が「ここは源泉そのままに近いから熱いのよ」と声をかけてくださり、ドバドバと加水してくれました。加水後もそれでも過去一番の熱さで、1分ほどで上がってきました(笑)
顔も真っ赤にし、硫黄泉を漂わせながら温泉を出て、みょうばん湯の里の売店でおやつとお買い物。

売店では明礬温泉の湯の花が購入できます。帰宅後に自宅で試してみましたが、この湯の花はクセはあるものの自宅温泉としてとてもおすすめ。なんと現地と同じ価格でAmazonで販売しているので、気になる方は買ってみてください。

15:00頃|『鬼石の湯』今回の旅で一番心に残った隠れた温泉
旅の締めくくりに訪れたのが鬼石の湯。鬼石坊主地獄の隣に位置する日帰り温泉施設です。数ある温泉の中でどこに行こうか迷いましたが、草津温泉での反省を活かし、最後は洗い場があってあがり湯ができるところを選びました。
施設へ向かう道中で坊主地獄のぽこぽこと泡立つ様子が覗けるのもユニーク。「一粒で二度美味しい…!」という気持ちになりました(笑)

近代的で綺麗な施設。内風呂・露天風呂・展望風呂(露天)に加え貸切風呂もあるため、家族での利用もしやすいです。

泉質はナトリウム塩化物泉でメタケイ酸を豊富に含む弱酸性の高温泉。源泉温度が高いため15%ほど加水しているようですが、それでもしっかり効能を感じられる成分の濃い温泉です。(溶存物質約4.3g/kg)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 営業時間 | 10:00〜22:00(最終受付21:00)土日祝は〜23:00 |
| 料金 | 大人620円・貸切風呂2,000円〜(1時間) |
| 定休日 | 毎月第1火曜日 |
| 泉質 | ナトリウム塩化物泉(低張性・弱酸性・高温泉) |
特に展望風呂が開放的で気持ちよく、お気に入り。他の浴槽よりもしっかり湯の花が浮いており、加水していても温泉の質が良いことが感じられました。いろいろな浴槽でじっくり温泉を堪能し、洗い場でシャンプーや流し湯もできるので締めにピッタリ。今回の旅で意外にも一番心に残った温泉です。

観光地(地獄めぐり)のすぐ近くにあるにもかかわらず、施設の大きさに対して人が少なめで、ゆったり入れるのも◎。個人的には穴場だと感じました…本当は教えたくないくらいです(笑)
その後、あたたかな体で鉄輪温泉エリアから別府駅、別府駅から大分空港までバスで移動。満足度高く、東京へ帰宅しました。
プチ湯治の効果|からだに感じた変化
| 症状 | 変化 |
|---|---|
| 肩こり・首こり | 各温泉パワーで全身がリフレッシュ (1番スッキリ感があったのは竹瓦温泉) |
| 冷え | 高温、塩化物泉でしっかり温まる |
| 肌 | 明礬温泉でしっかり消毒し、鬼石の湯で仕上げし、しっとり&さっぱり |
泉質の多様さが別府の最大の特徴。1泊2日でも複数の泉質を体験できるため、自分のからだに合う温泉を探す旅としても別府はとても向いていると感じました。
また、機能温泉浴(異なる泉質の温泉を組み合わせて入浴することで、それぞれが持つ効能の相乗効果が期待できる入浴方法)ができるのも、多様な泉質をもつ別府ならではです。

機能温泉浴を意識し、2日目には「明礬温泉(シャン泉)」→「鬼石の湯(リン泉)」の順番でめぐってみました!
加水・加温について|わたしの考え方
今回の旅で改めて実感したことがあります。
世の中には「加水・加温は絶対NG」という意見も多い温泉の世界ですが、鬼石の湯のように源泉温度が高すぎるために最低限の加水が必要な温泉でも、もとの成分の濃厚さが十分であれば多少加水してもしっかり効能を感じられること。(玉川温泉も源泉50%の浴槽でも効能はほぼ変わらないと言われています)
「加水・加温の有無」も大切ですが、その温泉の成分がどれだけ豊富かという点にも注目していきたいと、自分の肌感覚として感じています。(あくまで個人の感想です)
注意点・失敗談
① 荷物は預けてから動く
別府は温泉エリアが広く、バス移動が基本になります。キャリーケースを持ったまま共同浴場をめぐるのは大変!預け場所がない場合もあります。できるだけ宿か駅のコインロッカーに預けてから動くのが正解です。
② 1日で複数エリアを欲張りすぎない
別府八湯と呼ばれ、温泉エリアが8つある別府。各温泉エリアの移動はバスが中心となるので、移動だけで意外と体力を消耗します。1日2〜3か所程度に絞るのがおすすめ。
まとめ|泉質のバリエーションを楽しめる温泉のデパート
別府温泉は、草津温泉の「とにかく強酸性の名湯一択」とは異なる、泉質のバリエーションを楽しめる温泉のデパートでした。
1泊2日でも竹瓦温泉・鉄輪むし湯・明礬温泉・鬼石の湯と4か所をめぐり、それぞれ全く異なる体験ができました。次回はより湯治に特化した滞在をしてみたいと思っています🐱
温泉と、暮らしていきましょう。

別府には看板にゃんこがいる宿があるらしいニャ!雨と友達になってくれるかニャ〜♪
旅のデータ|費用まとめ
| 項目 | 内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 交通(飛行機) | 羽田→大分(片道) | 約1.5〜2万円(セール時はより安くなる) |
| 宿泊(1泊2食) | 源泉かけ流しの宿 | 約1〜2万円程度から選択可能 |
| 竹瓦温泉 | 普通浴 | 300円 |
| 鉄輪むし湯 | むし湯+浴衣レンタル | 約920円 |
| 鬼石の湯 | 大浴場 | 620円 |
| 合計目安 | 交通・宿・温泉代 | 約4〜6万円 |
※さんふらわあ(フェリー)利用の場合は別途料金がかかります











